新しい始まり

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「おはよう!」 教室のドアを開け、あたしはクラスに響くような声で朝の挨拶をする。 日本に来る前なら考えられないくらいの進歩だと思う。 あの頃のあたしは人見知りで臆病だったもんね。 きっとハワイのパパやママ。それにお姉ちゃんが知ったら絶対に驚くよ。 これも、あたしを友達として迎えてくれた渚と花衣のおかげだ。感謝感謝っと。 でもね…新しい季節はちょっぴり寂しい。 だって渚や花衣、小波まで別のクラスになっちゃった。 だから頑張るよ!新しいクラスで新しい友達を作るんだ。 そして花衣達に紹介して驚かせてやろう。 うふふ…楽しみだな。 「おはようマヒナさん」 「あ、おはよう。ええと…」 「竹森よ、竹森若葉。若葉でいいよ、私もマヒナって呼んでいい?」 「勿論、あたしは若葉ちゃんて呼ぶね。今度はしっかり覚えたから。ごめんね」 「まぁいいか。昨日、話したばかりだもんね、許したげる」 「うん、ありがとう若葉ちゃん」 あたしは笑顔で謝った。 若葉ちゃんは、この通り気さくな女の子。 この教室で1番初めに話し掛けてくれたの。 髪型は可愛い感じと大人っぽさがコラボしたミディアムボブ。本人は小悪魔系って言ってる。 目はクリクリしてて睫毛はエクステ。 笑う顔が素敵なんだ。 「何?私の顔に何か付いてる?」 あたしは笑いながら否定した。 つい見とれてたなんて言えないよ。 本当にあたしは変わったな… 人見知りだった頃が嘘みたい。 今はこんなに初対面の人と話せる。 あたし、自分の足で成長と言う名の階段を上ってるんだ。 凄いぞあたし! はぁぁ…自画自賛。
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