新しい始まり

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「はーい、みんな席に着いてねー」 チャイムと同時に教室に入ったのはフラ部の顧問、森沢先生。 少し臆病な所は以前のあたしに似てる。 ショートだった髪は伸ばすらしい。 今は肩くらいまで伸びてる。 今まで1年1組の副担任だったけど、今年度からあたし達のクラス。 2年3組の担任になった。 「翠ちゃーん!彼氏できたー?」 からかう男子に森沢先生がチョークを投げた! けど…あらら… 前の男子に誤爆しちゃった。 「あははは!八王子カワイソー」 「とんだノーコンだよな、翠ちゃんはよ」 若葉ちゃんに大笑いされ、ツンツンヘアーの八王子くんが口を尖らせる。 森沢先生は平謝りだ。どっちが生徒なんだか… それにしてもホント、災難だね。悪いけど、あたしも笑ってるんだ。 顔を逸らしてるから気付かれないよね。 って… ひゃあ! 頭に八王子チョップ… 手加減してくれる所は優しいけど、女の子を叩いたら駄目だよ。 でも、こんな風に接してくれる男子は八王子くんだけだ。 他の男子は、あたしがハーフだからか近寄り難いと思ってるみたい。 「笑ってんじゃねぇよ」 「ふえぇ…ごめんなさい…」 不貞腐れてる?ううん、違う。照れてるんだね。あたしにまで笑われたから恥ずかしいんだ。 「あれれぇぇ?なに赤くなってんの八王子ぃ?あんたまさかマヒナの事…」 「ちげーよ!バカ森、関係ねぇよ」 バカ森って若葉ちゃんの事だよね? 酷いなぁ。 あれ?さっきよりも、八王子くんの顔が赤くなってる? 変なの。 「はいはい!HR始めますよー!コントは終りにしてね」 そうだった。今はHRの時間だよ。 先生ごめんなさい。
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