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「ええと…結城恵ちゃん?」
「あ、ユッケって呼んでくれて構わないッス、これ自分のお気に入りニックネームなんで」
ユッケ?これはまた渚が飛び付きそうなニックネームだ。
「ユッケ食べたい!いや、食べ物のユッケだよ!?変な意味じゃないから!」
渚ぁ…
「あははははは!フラ部は面白い先輩が居るッスねぇ。ちょっと興味が湧きましたよ」
「あの…ゆ、ユッケさんは海翔になにをしに?入学前ですよ?」
「ああ、それは下見ッス。どんな部活に入ろうかと思いまして、やっぱ下調べしてからじゃないと、入ってから後悔したくないッスからね」
部活の下見?これは勧誘のチャンスかも。
「あのねユッケちゃん、良かったらフラ部に入らない?他のクラブと比べて厳しくないし、それに…」
「それはまだ決められないッスよ、マヒナ先輩」
え!?どうしてあたしの名前…
「おや?驚きましたか?実はですね、海翔のフラ部こと海翔ヒワヒワは2中じゃ有名なんスよ。特にマヒナ・デュドワ先輩の名前は知らない生徒が居ないくらいッスからね」
「有名って…」
「フラガールズ甲子園ッスよ。実力ある他の初参加校を抑え、見事に新人賞を勝ち取ったってね。自分も観てましたから」
そうだったんだ?中学校でもあたし達が話題になってたなんて、それは驚きだよ。
「ま、取り合えず自己紹介もしましたんで、これで失礼するッス」
「え?あ、ちょっと待っ…」
行っちゃった…何だろう…?何だかワクワクさせるような子だった。
結城恵…ユッケちゃんかぁ。
もしかしたら、あの子はフラ部に新しい風を運んでくれるのかも知れない。
そう思ったんだ。
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