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「今度こそ練習の続きするよ、みんな並んで」
「今度は邪魔が入らないでしょうね?」
「お腹すいたー」
「さっき食ったばかりだぞ、渚」
「渚さん、真面目に練習して下さい」
「そうですよ、フラガールズ甲子園まであっという間ですよ?」
渚ったら、もう…
まぁ、彼女が居るから海翔ヒワヒワは明るくなれるんだけどね。
でも、ちゃんと練習はしないと。
「渚、始めるよ」
気を取り直し、あたしは渚と一緒に中央に立つ。
今は6人のフォーメーションで練習だ。
もし、新入部員が入ってくれたら、その時また考えよう。
今年は春から色んな事がありそうだ。
強化合宿、マホラヘラ・ミノッアカのイベント、その他にも何かがある。
そんな予感がする。
フラガールズ甲子園まであと半年、目指すはもちろん優勝だ。
CDのタイマーが音楽を再生する。
曲はやっぱり『月の夜は』だ。
波のように腕を動かし、右カホロ。いち、に、さん、し。
次は、同じぐ左に4カウント 。
両腕を上げて、下げる。胸で輪を作り、またハンドウェーブしながら右カホロ、左にカホロ…
次はヘラ。そしてカオラウンド。
足を上げてウエヘ。
フラガールズ甲子園優勝は、あたしの夢。
みんなの夢。
そして、それよりも大きな夢が待っている。
マホラヘラ・ミノッアカの一員として、多くの人に笑顔と幸せを届けよう。
世界が笑顔でありますようにと、そう心から願う。
あたし達は今日もステップを踏む。
それは笑顔のステップ。
幸せのステップ。
希望のステップ。
そして―――
未来(あした)へのステップなんだ。
―――完―――
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