0人が本棚に入れています
本棚に追加
学校生活も大分安定してきた秋ごろ。ただの高校生、上野涼の一日は、スマホの着信音から始まった。目覚まし時計なんか必要のない煩さに、うめき声をあげ寝返る。
「うるさっ。」
今にも閉じてしまいそうな眼を擦りつつ、スマホを手に取る。画面には『教祖』と書かれている。そういえば名前、変えていなかったなと思った涼だが、あまりの眠さに三秒で忘れた。
教祖もとい瑞希花梨(みずきかりん)は、涼の元彼女。今はただの部活が同じだけの関係だ。花梨は新たに出来た彼氏にでも送れよ、と悪態を付きつつ、涼の知らぬ間に嬉しそうに笑っていた。
最初のコメントを投稿しよう!