記念日

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「はよ、涼。」
「はよー。」
　涼が一年三組の教室まで行くと、クラスの人たちが挨拶をしてくる。
花梨だが、会いそうな時間に家を出たのだが、会わなかった。今日は運が悪かったのかと思ったが、会わない方が良いだろうと思い直した。彼奴には彼氏が居るのだから、もう俺は必要ない。邪魔になるだけだ。と、いつも通りの暗示をかける。
　適当にクラスメイトに返しつつ、自分の席に着く。と、チャイムが鳴り、担任が入ってくる。かなりギリギリだったらしい。花梨に何があったのかなど、考えていたらあの時間だったのだ。花梨に会いそうな時間の時点で急がなければ遅刻だ。
　冷や汗を感じたが、気が付かないふりをするらしい。普段通りのダルそうな表情で寝る準備を始めた。