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キーンコーンカーンコーン
机にうつ伏せに寝る涼の近くに、男が近寄る。覗き込むように顔を確認し、熟睡している事が分かると、口角を上げる。手をワキワキと動かし横に立ち、手を横腹に……。
「なにしてやがる。」
「ひっ。」
あともう少しの所で見つかり、腕を掴まれる少年。見つかった事に焦り青くしていた顔が、痛みで赤く染まる。
「ちょっ、痛い。痛い痛い離せ話せば分かるまずはその腕を離してくれれば少しは解決……。」
「しないよな?何しようとしていたのか言えば離してやるかもな。てかうるせー。」
涼が掴んでいた少年の腕は、あらぬ方向に曲げられていて、折れてしまいそうだ。少年は力を入れれば折れてしまうと我慢しているが、ギリギリ大丈夫そうな位置で止めている。やりなれているようだ。
「折れるって、折れるって!イケメンな俺の大事な大事な腕折れちゃうってー!」
「折れろ。」
「りょうくんひどっ、あ……。」
少年は力なく地面に伏した。
「やっと死んだか。」
「生きとるわ!」
少年は生き返った。
ふー、ふーと怒りを露わにしているが、血が行き届いてないのか青い。やり過ぎたかと涼は焦ったが、自業自得だろと見下ろす。これがこいつらの日常である。
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