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目線を上げて睨もうと試みると、見上げた男性の口元が少し緩んだ。
「謝るようなこと、したんでしょ?」
(くっ……ムダに爽やか)
負けたような気がして、自棄糞(やけくそ)で男性の左手を指す。
くるりと手の向きを変えて、男性の左掌がゆっくりと開いていった。
(桜の花びら)
「大当たり」
何とも、リアクションしづらい。
今は私の眉間が皺を寄せているはず。
「決定。君がモデルさん」
モデルさん。
モデル、さん?
『君が』モデルさん?
……変質者の!?
四拍ほど後、叫んだ。
「私、ヌードモデルなんてしません! 絶対に、イヤです!」
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