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――パシンッ。
勢いよく振った頭が揺らした髪。
ノッポさんが伸ばしていた手に、私の髪が思い切り音を立てて当たった。
気不味くなって頭を止めると、ノッポさんが自分の手を眺めている。
「やっぱり。コシの具合が理想」
呟いた小声の内容は意味不明。
髪が当たって多少は手が痛いはずなのに、何が『理想』なんだろう?
白銀比なのに、ドMさん?
物腰は柔らかくて、爽やかなのにな。
「さっき俺、言ったよね。“決定事項”だって。籤引(くじび)きで一応、君本人にも選ばせてあげたでしょ?」
(そのための“籤引き”? そこの説明は、一切なかったような気が……)
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