意識の先にあるもの

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(……うん、元のサタンだ)  横から、ハルトさんが口を挟む。 「解放するつもりで送り出したんだろ? よく言うよ、この鈍感バカ」 「年上を敬え、この色恋ボケ」 (……スゴく仲良しなんだ)  微笑ましく思ってお二人を眺めていると、柘植さんが私に屈み込んだ。 「お大事に。冬用微粒子パウダーの発売、楽しみにしていてくれ。柘植紡績はリリスをインターンシップ扱いとし、いつでも雇用する」 「ホントですか! 人生で一番酷い貧血になった甲斐があって良かった!」 「環ちゃん……それは別話だよ」  就活の心配が不要になって喜んでいると、ハルトさんに突っ込まれる。 すると柘植さんが姿勢を戻した。
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