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「済みません。邪魔でしたね」
「ふわあっ!」
背後から掛けられた声に、思わず叫んでしまった。悪いことだと思って行動している時に、不意討ちは怖い。
オドオドと振り返ると、首から提げられただろうカメラが目の前にある。
(あ、ら? どれだけ身長あるの?)
目線を上げれば、髪の毛先を遊ばせた男性が見えた。少し陽に焼けた肌。
改めて、視線を下降させてみる。
肩から斜め掛けにしたダークブラウンの革製の鞄は、郵便配達員が持つ形。
ああ、このタイプの鞄(かばん)は、教科書が入れやすそうだし可愛い。
「この鞄、羨ましいなぁ……。どこに売ってるんだろう」
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