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「じっとして。」
そう言って腰に手を回したまま、
徐々に沈む彼の頭をやさしく掴むつもりが、思いのほか激しくしてしまった。
「いきなり・・何・・どし・・んん!」
隆の舌が好きだ。
長くて、ねっとりしていて、それでいて弾力もある。
咥えている瞬間の顔が好きだ。
文字通りの征服感。
「あっ・・そこ・・・ん・・もっと・・。」
彼の唇が好きだ。
包まれている感覚、それこそが醍醐味。
隆の口の中ってなんでこんなに気持ちいんだろう。
何食べたらこんなことになるんだろう。
てか、隆に咥えられながらこんなこと考えてるくらいだから、
今日はそんなにすぐには起たないだろうな。
目線の先に見えた天井のしみが何かの形に見えないかな。
なんてことも考えながら、下から聞こえる官能的な音に酔いしれた。
“その本気、少しだけ舐めさせてよ。”
ふと、あの男の声が脳裏に過った。
「あっ!!」
少し目線を上げた隆が笑ったのがわかった。
「ここ・・いいんだ。じゃあ、もっとするね・・。」
違う、そうじゃない。
「たか・・・待って!ちが・・・ん、はぅ!!」
「うそつきさん。」
隆は執拗に舌を動かしながら、痙攣しかけている部分を念入りに攻め立てる。
抵抗すると余計にしたくなるってこういうことなのかと自問自答しながら、必死に隆の髪の毛を掴んだ。
あの男の手の感覚を思い出したくない。
あの男の目線に侵されたくない。
快感が、迫ってくる。
「も・・・だめ・・・はぅ・・い・・。」
「いいよ。飲みたい。」
彼は俺のを執拗に飲みたがる。
俺のものが欲しいとよく言い、
一部なれるかもしれないとも言った。
自分以外のものを信じられないから、
俺のものになったら、自分を信じられるかもしれないと、
そんなことを話してくれたこともあった。
「だめ・・・飲む・・・な・・・離・・・・ああ!!」
俺は、いとも簡単に快楽の海の底まで落ちた。
そこから先は、もう覚えていない。
覚えていることは、体は隆で達したが、
心はあの男に入りこまれたということだけだった。
to be continued...
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