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コンコン、と玄関を叩かれる音がして、ふと時計を見上げる。
日付が変わろうとしているところだった。
こんな時間に訪問してくる非常識な奴なんて、奴しかいない。
作業を中断し、のっそりと立ち上がってドア越しに一言。
「要件を述べよ。」
「…いいから早く入れろ、変態。」
まったく、開口一番がそれか。
口も悪いし、態度も悪い。
「僕は紳士だ。まったく、こんな時間にばかり来るんじゃないよ、忙しいんだから。」
そんな僕の言葉を無視しながら勝手にグイッとドアを広げて部屋に押し入る強盗もどきは、さっさとソファでくつろぎ始めた。
「…紅茶でいいかい」
僕がため息混じりに聞いてやると、彼女は嬉しそうに 「ありがとー!」なんて言う。
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