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「…何、今度は黒魔術でも始めたわけ?」
怪訝そうな彼女の声。
僕が先程中断した作業の卓上を見て、すぐに黒魔術だなんて単語が出てくるのだから流石だな。
「まぁね。魔術師と呼んでくれたまへ。」
僕が紅茶を入れながら振り返ると、呆れたような彼女の顔があった。
「パラケルススはホムンクルスの生成に成功したけど、彼の死後、再び成功した者はいなかった。」
「流石だな。」
僕が紅茶を差し出すと、彼女は卓上の血液と精液の入ったフラスコを手にとって飲み干した。
「ちょっ、おま…」
まさかの行動に唖然とする僕を、口角からうっすら血を滲ませながら笑う彼女は、吸血鬼のようだ。
「アタシが産んであげる」
「愛しいバケモノをさ。」
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