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-石本健介-
俺、健介。
仲間と転校してきて軽く二週間くらいたつ。
クラスには意外にも溶け込んでいるが、一個ポツンと置かれた俺の隣の席が気になった。
いつも開いている。
この前ダチのかんたに聞いた。
「あ…東城暁さんだよ。外国によく行くんだよ。ハーフハーフ」
東城暁
外国によく行くハーフの女。
…ネェ…
「ふ…ぁー…っ」
あくびを噛み締めた。
今は仲間とサボり中だ。
「けんー!じゅーすちょぅだい!」
「ねぇ」
「じゃぁ買ってきて!!」
「…」
「お願い!」
「チッ」
「ありがとう!けんちゃん大好き!」
おい…舌打ちしただけだろが…。
こいつは井上モカ。
男の癖してそこらの女より可愛い奴。
仕方なく、ちゃりせんのはいった財布を持って出た。
廊下を歩きながらちゃりせんの金額を確認。
よし、買える。
この学校には人気の少ないところに自動販売機やトイレがある。
「やめっ!やめめー!!!」
女の声がした。
そちらを見るとちいせぇ女が男に抱きつかれていた。
女は150㌢の背丈で、髪の毛を団子にして束ねている。
いつものオレだとほっておくのに、足は何故かそちらに向かう。
「止めたれば?」
女はオレを見てびっくりし、男は女を離してオレをにらむ。
「あんだとごらー」
「…ぅっせぇ」
まぁ…その男はオレが少し殺気を出すと逃げてしまったがな。
…つまんねぇ
「大丈夫か?」
「はいです。ありがとうございます!」
ぺこりと頭を下げて微笑む女。
うむっ…
「意外に平気な顔をしてるな」
「…学校に帰ったらいつものことなので」
___?帰る?
「どっこと」
「外国に行ってきたんだ!」
「そうか…。じゃぁな」
「さようなら!助けてくれてありがとう!!!」
女の背中を見て、ホッとした。
「はぁ」
ジュース買わなくちゃなんねぇ
…ん?外国?
「まさか…」
東城暁?
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