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「結局駄目なんじゃねぇかよ……」
「そういうことだ、諦めろ」
「ちっ……わかったよ、さっさとやれ」
無駄に時間をかけるくらいならいっそ覚悟を決めるかと腹を括るネイム
「よし、全員今出せる全力を叩き込め。
どうせ精神世界だ、死ぬほど痛いが死ぬことはない」
「お前マジでふざけるなよ」
かなり低い声でのネイムの言葉
この世界、冗談抜きで痛みを感じるのである。
「すまんな、本気だ。
それ以外方法がないから諦めろ」
「………………もういい、余計なこと言わずにさっさとやってくれ」
「だそうだ、全員構えろ」
タケルの言葉に特に躊躇なく構えるヤークト、ミレイ
ミホシも多少躊躇しつつも構えを取る。
「……ちょっと、本当に大丈夫?」
ネイムの態度に心配そうなマリア
まさかこんな間抜けなやり取りでネイムにもしものことがないかと不安になっているようだ。
そこでタケルが提案する。
「どうしてもって言うなら、アカツキに変わってもらうか?
緑霊の性質を考えるとと、多分一つ分の空きなら代用できると思うぞ」
「任せろ、さっさと終わらせてやる」
俄然やる気を見せるアカツキであった。
「……マリア、気持ちはありがたいが、俺を想うなら一思いにお前がやってくれ。
そいつに任せるのは不安すぎる」
「……わかったわ」
アカツキの場合、もしもが現実になりそうだと悟り、その場でネイムに向けて構えを取る。
「あの、魔法を使うのってどういうイメージなんでしょうか?」
一方でショウはそんな質問をしている。
扱ったことのない魔力を操る力をどう使えばいいのか確認しているだけである。
「適当にやれ」
「わかりました。それじゃあ行きますよネイムさん」
淡々と従うショウに、何気に全員引いている。
とても恩師であった人物に攻撃する直前とは思えないほど淡泊である。
「じゃあ行くぞ、歯を食いしばれ」
「ああもう、好きにしろ」
自棄になって身構えるネイム。
「やれ」
その言葉を合図に、全員が一斉にネイムに対してイザナギを纏わせた攻撃を行う。
炎、光、衝撃、斬撃、圧迫
それらがネイムに向かって叩き込まれる。
「――――」
それらすべての直撃を受け、ネイムは悲鳴もあげず――否、悲鳴すら上げられない苦痛に苛まれる。
しかし、その甲斐があってか、先ほどまでなかったはずの王金の宝剣がその手に現れた。
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