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「魔獣と結託して、あんた以外の女神全員出し抜いて、魔獣を復活、そしてその上で魔獣を完全に葬るためにいろいろ画策してるぞ」
『…………え』
一切の嘘偽りのない直球の返答に王金の女神の声が途絶える。
「……もう少しオブラートに包んだ方が」
場にいたたまれない空気が流れたのを感じてサクラがやんわりとそう言うが、もはや行ってしまったものは仕方がない。
「ああ、すまん……どうもこの世界だとぽろっと本音が出るな。
精神世界だからかな、うん、仕方がないな」
そう言いつつ、一切反省の色が見えないネイム
姉である王金の女神に、白夜の女神が色々とやらかしていることをチクれて少し溜飲が下がったらしい。
『…………嘘は、言ってはいないようですね』
「流石は女神か……精神魔法が使えるんだな」
『いいえ、単純にクセです。
私のミツルギととてもよく似ているわ。
開き直った態度とか、まるで生き写しね』
アルギムの建国王である王金のミツルギ
それと似ているというのは、ネイムとしてはなんとも複雑な気分である。
誇らしくはあるのだが、同時に、自分の代でアルギムを終わらせてしまうという事実に申し訳なくなっているのだ。
「……ん」
そしてうつむいた時、自分の足が透けて水面の奥の景色が見えた。
「……どうやらあんまり長いできる場所でもないらしいな。
王金の女神、単刀直入に言う。
俺をあんたのミツルギにしてくれ」
『そうでしょうね……あの子がこれまで何をしていたのかまでは把握しきれませんが、魔獣の力の流出はわかっていました。
封印に使っている私の力も、今ではあまり大きな意味をなしていない。
ならば、その力を戦うために使う……適切な判断ということでしょうね』
「だったら」『ですが』
どこか悲し気に、王金の女神はネイムに問う。
『あなたの魂に多大な負荷をかけることとなります』
「……魂に?」
『あなたの父は、肉体的にはまだまだ余裕がありましたが……魔獣の力、その支配に抗うために日常的に私の力を行使し続けました。
その結果、若くして魂が摩耗して死にました』
「……あなたの力は、他の女神とは違うのか?」
『根本は同じです。
しかし……魔獣を封印するための力の余波は使い手にも影響を与える。
他のアマテラスはそれぞれ役割を持ち、負担を分散していますが、私は力はそのすべてを個人で負担します』
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