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高校2年生になって2日目。前日、クラスメイトときちんと話せるか心配していたのに、早速女子と喧嘩をするという問題を起こしてしまった。
クラスメイトの菊池さんを助ける為に言ったことだったが、言い過ぎてしまって、菊池さんを逆に不快な気持ちにさせてしまったことに、深く反省している。そして、きちんと自分の間違いを指摘してくれる人に出会えたことに感謝している。
そして、まず自分にできることはというと。
「昨日はごめんなさい。言い過ぎた。」
昨日の女子達に深々とお辞儀をして、謝罪をした。上辺なんかじゃない。本心で謝っている。こんなこと、きっと去年まではできなかった。
女子達は最初驚いて、顔を見合わせていたが、私の方を向いて
「顔上げてよ。私達も、昨日佐藤さんにああ言われて、よく考えてみて、酷いことしてたなーって思ったんだ。だから、謝るのは私達の方。本当にごめん、佐藤さん。」
!驚いた。まさか、謝ってもらえるなんて思ってなかったから。
「あと、菊池さんも本当にごめんね!」
遠くから私の様子を伺っていた菊池さんに気づいていたようで、女子達が菊池さんに向かって、頭を下げて謝罪をした。
菊池さんは、ゆっくりと頷いて、下を向いた。
「本当に人見知りなんだね…。ていうか、恥ずかしがり屋なのかな?」
「あはは…確かに。」
「私達、菊池さんと仲良くなれるかな?」
不安そうな顔で、私の顔を見つめる。
「!…うん、もちろんだよ!」
私は笑顔で、そう答えた。
この言葉だって、何の嘘偽りはない。
□■□■
通常授業初日ということで、すべての授業がオリエンテーションで終わった。
特に授業もすることはなく、あっという間に下校時間となった。
「小紅。」
私の名前を呼ぶ男子の声が聞こえる。驚いて声のする方を見ると、緑里が立っていた。
「あぁ、そっか。名前で呼ぶことにしたんだもんね。初めてだね、呼んでもらうの。」
「そうだね。」
「どうしたの?」
「途中まで一緒に帰らない?」
え、男子と、一緒に、下校?
「嫌ならいいけど。」
「へ!?いや、嫌とかじゃないんだけどさ!男子と女子が2人で帰ってたら
ほら、なんていうか、その…」
「特にきにしないけど。だって、友達が偶然異性だったってだけじゃん。」
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