親友

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□■□■ 放課後、下駄箱の前で去年までの友達の綾に呼び出された。 私は高校2年生になってからは、綾とはもう縁を切ろうと思ってたけど、案外そう簡単にはいかないみたいだ。 緑里と橙花も一緒にいたけど、待っててくれると言ってくれたので、私は綾についていくことにした。 呼び出されたのは、初日に呼び出された時と同じ校舎裏。 「えっと、綾!どうしたの?」 顔が強ばる。緑里達といるときはあんなに自然と笑えてるのに、綾の前に立った途端これだ。 私が去年、どれだけ無理して綾についていっていたかがわかる。 「あんたさ、早速彼氏なんて作ってんの?」 「えっ」 緑里のことかな。 「違う違う!あの人はただの友達だよ。初日から仲良くしてくれて・・・。」 「友達?あんた、結局新しいクラスで友達できなくて、男に縋ってんの?それ、恥ずかしくない?」 グサリと心に刺さる言葉だった。 男に、縋る・・・? そんなことはない。だって私は、緑里が男子とか関係なく、あの人柄に惹かれて友達になりたいって思ったんだから。 友達ができなかったわけじゃない。私が緑里を友達として選んだまでだ。第一・・・。 「私、他にも女子の友達もいるから。」 「あー、さっき一緒にいた女?あいつもあんたが男とつるんでるから、男と仲良くなる口実で一緒にいるだけだったりして。」 何言ってんの、綾。こんなこという人だったなんて。 「どうして、そんなこと言うの?」 「は?」 「去年まで、ちゃんと友達だったじゃん!そんなこと、友達に対して言う人じゃなかったじゃん!」 そう叫ぶと、綾は一瞬驚いた顔をしたあと、ブッと吹き出した。 「ちょっとー、本気で言ってんの?私はあんたのこと、友達だと思ったことなんてないんですけどー。ま、あんたの私に縋り付く必死さを見てるの面白かったから黙ってたけどさ、クラス替えで離れられて清々したわー。つかさ、あんたってメイクも下手、勉強も運動もできない、ファッションセンスもない、コミュニケーション能力もない。そんなやつとつるんでやってあげてただけ感謝して欲しいわ。友達なんかじゃないよ。私、あんたのこと下僕程度にしか思ったことないから。」 ・・・下僕、か。やっぱりそうだよね。 「知ってた。」
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