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―だったら、変わりたい。
本当の友達が欲しい。
一人でいたくないから、自分の飾りとして作る友達なんていらない。仲良くしたいって、この人となら楽しく過ごせるって、自分の事を誰よりも良くわかってくれて、自分も相手を誰よりも良くわかっていられるような友達が欲しい。
そもそも、どうして私はクラスが離れたら綾に会えなくなるって思ったんだろう。それはきっと、私はずっと前から綾のことを、本当の友達と思ってなかったからだ。「…クラス替え、楽しみになってきたかも。」
「はあ?」
「なんかね、新しいクラスで頑張ろうって思ったら、スッキリしたっていうか。」
私がそう言うと、綾は少し驚いた顔をしたあと、大きく溜息をついた。
「あんたにできるかねー。」
そう言って、クラスの名簿を見に行った。
「何よ、それ…。」
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