名古屋ハヤシ

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名古屋ハヤシ

愛知県といえば「名古屋コーチン」というブランド鶏を使ったグルメが有名です。 姉妹エッセイの「天晴れ!? 美味しいグルメ帳」でチキン南蛮・味噌煮込みうどん・手羽の唐揚げの3品を取りあげました。しかし名古屋コーチンのグルメは1300円~2000円以内と高級感があるので、愛知県民といえども正直言って敷居が高いです。 イオンモール名古屋ドーム店のレストラン街にある「名古屋コーチン一鳳 庵」では、純系名古屋コーチン(紛い物ではなくオリジナル)を使った料理が味わえます。お店の玄関前に置いてある立て看板には、なんと1000円(税込)で名古屋コーチンを味わえるグルメを発見しました。 「名古屋ハヤシセット」です。 「ハヤシライス」というと正直言ってめったに食べません。1年に1回も食べないですね。申し訳ございません。 明治時代、洋食屋の上野精養軒で働いていた林さんが賄いで出したという話もあれば、丸善創業者の早矢仕有的さんが友人に振る舞ったという話もあり、ロシア料理の「ハッシュドビーフ」が訛って「ハヤシライス」になったという様々な諸説があります。100年以上ある料理なのにいつもカレーライスの影に隠れています。様々な国で生活している人の好きな料理が「カレーライス」という巨大な壁を越えることがなかなか出来ません。可哀相に…。 食べた感想を言います。 まずスプーンで黄身を突いたとき、「ん?」と違和感を感じました。黄身を保護している膜がスプーンを弾きます。圧力に屈しない弾力性は新鮮な卵であるという証拠と共にさすがブランド鶏だと感心しました。普通の卵ならばあっけなく潰れます。ルーに入っているのは名古屋コーチンの挽肉に玉葱とトマトです。(目に見える範囲です)挽肉とはいえ一粒一粒に弾力があります。トマトの酸味が苦手だという人もいますが、酸味は感じません。甘味の強いトマトペーストに玉葱の甘味が一体感になっています。ご飯に合います。また黄身を混ぜたことでルー全体の味がまろやかになり、コクが加わって美味しかったです。 名古屋コーチンを食べてみたい方は金銭面で無理をせず、1000円札一枚で収まる名古屋ハヤシをお勧めします。 image=492164279.jpg
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