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『小野寺の弟 小野寺の姉』
2014年に映画化されたので、ご存知の方も多いはず。
CM観て、観たいと騒ぐ私を冷ややかに見ていた夫が、本屋で原作を見つけて色めき立つ私に「あ、西田さんなんだ。じゃあおもしろいよ」と断言し、映画館につきあってくれ、かつ、売り切れだったパンフをオークションで入手してくれ、かつ、頼んでないのに舞台版のDVDと映画版のDVDを買ってくれるという親切ぶりを発揮したこの作品。
いいんです!とってもすてきな物語なのです!
原作脚本監督を務められたのは俳優でもある西田征史さん。
私はこれまで、小林賢太郎さんの舞台で彼を観ていたのですが、彼はほんとに感じのよい方です。
大げさでなく、そのキャラクターのサイズでそこにいる。すごい。
西田さんの書き方は、一人一人が語り手になって物語を進めるもの。
もう、すごくよいです。
何がというと、それぞれのキャラクターに対する愛情がほとばしっている。
きっと、他の作家さんがたとえば小野寺よりこを書いたら、こうはならない。
おそろしく卑屈なところがクローズアップされてしまって、ただただイタイ女になるのだと思う。たぶん、もうものすごく意識的に好意的に書けばそうならないとしても、ちょっとネバっとした人になると思うのです。
同じく小野寺進を誰か他の作家さんが書いてもそう。
向井理にやらせるなんてとんでもないという仕上がりになると思うのです。
そう考えると、西田さんというよりは、小林賢太郎ファミリーの視点はほぼ同じくあたたかいものだと思えて、人間としてすごいと思ってしまう。
とにかく観てほしいこの作品。
観た方ももう一度観ましょう。
その後で小林賢太郎テレビとか観ましょう。
しあわせがそこに生まれます。
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