1人が本棚に入れています
本棚に追加
手
のばした手をはじかれた
なんどもなんども、はじかれた
それでも、のばした。
でもはじかれた
傷だらけで
たおれているボクに
彼はこう言った
『そこで、あきらめるつもり?』
あきらめるつもりはなかった
たおれているボクに
『ほら、あきらめるなよ』
氷のようなその手は
まだ伸ばされていた
それでも離したくなかったボクに、君がいった
―キミを平気でキズつけ続ける手の果てに、何があるとおもう?
涙で
グシャグシャになったボクに
ずっと前から
のばされていた
やさしくてあったかい手をにぎって
最初のコメントを投稿しよう!