はじまり 君と僕の出会い

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僕は友達がいない。 別になにか問題を起こしたわけじゃないけど、昔から内気で、少し浮いていた。 顔が良い生徒は何をしても良いみたいな風潮が蔓延るこのおかしな学園で、顔も性格もイマイチらしい僕みたいなのは最底辺だ。 僕が廊下を歩けば、みんなが最底辺な僕を見て笑う。辛いとか悲しいとかいうより、鬱陶しい。 そんな僕は、それなりに真面目に授業を受けて、昼休みには僕だけの秘密の場所でご飯を食べる。 そこなら誰も僕を見てヒソヒソ言わないし、日当たりも良いし、しかも猫が来る。 その場所とは、旧校舎の正門側にある大きな木の下だ。 そこにいると、僕は心地よくて、たまに眠ってしまう。 だから、午後の授業をサボってしまうことも、たまにはある。 今日も僕は猫を撫でながら、暖かな日差しに微睡み始めていた。
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