12人が本棚に入れています
本棚に追加
「せーんぱい」
ぱちり。
誰だ、僕に話し掛けてきた奴は。
せっかく気持ちよく眠れそうだったのに。
恨めしく思いながら僕は目を開けた。
「おはよーございます、先輩」
そこには、見たことのない男がいた。
なんとなくモテそうな雰囲気の、後輩くん?一年生かな。
「…誰?」
「へへ、そうですよね。はじめまして。俺、一年の藤島春一って言います」
「ふうん」
「隣、いいですか?」
…ええーと、藤島くん?がおずおずと訪ねてきた。
困るな。僕は一人になりたくてここに来ているのに。
「いいよ。僕はもう戻るから」
「えっ…」
「じゃあね」
ちょっと言い方キツかったかな。
まあいいか。どうせもう会わないんだし。
さっきの後輩くんのせいで眠れなかったから、まだちょっと眠い。
それでもまあ、ちゃんと授業には出るけどね。
最初のコメントを投稿しよう!