第1章

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何言ってんだこいつ・・・確かにその通りだが、これはうちの合鍵なんだから、私てもらう資格が俺にあるだろ・・・!プライバシーの侵害だろうが!! 「つべこべ言わず渡せ!!」 「ちょっと~陸玖だけ可哀想じゃない?」 「あ?」 茜を見ると、茜は指に鍵を通してくるくると振り回している。 「・・・もしかして茜さん?その指についている鍵は・・・」 「え?この家の合鍵だけど?今日は使うことなかったけどさ。」 な、何なんだこいつら・・・正気か? 「お前ら・・・いい加減にしろよ・・・さすがの俺でも怒るんだよ・・・」 両手をぐっと握り締める。歯をグッと噛み締める。 その様子を見て、二人は少しビクッとなり、顔を見合わせた。 「ご、ごめん誠。私達、勝手に合鍵持ち歩くなんて・・・勝手なことしたっていうか・・・誠相手だからって、調子に乗りすぎたっていうか・・・。」 「そ、そうだな・・・誠の気持ち、何も考えずに・・・謝るよ。この合鍵も、きちんと誠の母さんに返却して・・・」 「俺だけ・・・」 「「?」」 「俺だけお前らの家の合鍵持ってないのかよ!!お前らは俺の家の合鍵持ってるのに、ずるくねえか!?俺にもお前らの家の合鍵よこせよ!!」 でかい声で叫んでみせた。二人共キョトンとした顔で俺を見つめている。俺は何も間違ったことは言っていないはずだ。俺だけ仲間はずれなんて、酷すぎるぞ!! すると二人は、ブッと吹き出したあと、あははははとお腹を抱えて笑い出した。 「そ、そういうとこ!!本当に誠らしいね!!」 「そうだな・・・っぐふっ!!お前、俺らの家の合鍵欲しかったのかよ・・・!!」 「そ、そうだよ!悪いか!!」 「いいや悪くないさ。今まで我慢させて悪かったな!!・・・ブッふ!!!!」 「お、おいお前ら・・・笑いすぎだろ・・・失礼だろ・・・」 そうして二人は笑いながらポケットに手を入れ、それぞれの家の合鍵を取り出し、俺に渡した。 「お、お前ら・・・なんで自分家の合鍵なんて携帯してるんだよ・・・」 「いや~いつでも誠に渡せるようにって!」 「お前だけ合鍵の類持ってないからよ、いつかほしがるんじゃないかと思って!!」 ゾッとした。 「じゃあ・・・今そんなに爆笑してるのは・・・」 「「図星だったから!」」 「お前らぶっころすぞ!!!!!」
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