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「あるところにはあるものだ、
俺達前線の部隊が弾薬や飯の補給を頼んでも補給してもらえなかったのに」
「仕方無いですよ、あ、上等兵殿飲んで下さい」
若い兵士が古参兵に飯盒の中の日本酒を渡した。
「お前飲まんのか」
「酒より饅頭の方が好きですね」
「では遠慮無くもらうぞ」
会話している若い兵士の目に見覚えのある女性の顔が映り、
向こうも気が付いたようで軽く会釈して小さく手を振って来たのに対し、
彼は姿勢を正し略帽を取ると深々と礼をした。
それを見た古参兵が、
「知っている女性か」
「はい」
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