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 「それでは今日の授業は終わりにします。次回までに自分の色の持つマナの色に、光を変化させられるように練習しておいてください。それでは、解散。」  「「「ありがとうございました。」」」  ウェルナーが一礼して講義室を後にする。  扉を出るとアレックスがウェルナーの後ろにつき従うように付いてきた。  「アレックスは他の聖騎士と昼食をとるのか。」  「いや、おまえと一緒に食べようかと思っていた。一応仕事でもあるからな。」  「そっか。なら弁当があるから、外で食べよう。」  ウェルナーの提案に何か気づいたのかアレックスは黙って従った。  塔の外へと出ると、まず広大なケロベロスの森が見えてきた。  魔法使いが魔法の実技の練習をする多目的グラウンドや、塔の庭とよばれる公園のような整備された敷地が近くにあるのだが、あまりに広大な森が塔の建っている位置の高さと相まって一番最初に飛び込んでくる。  グラウンドにはまだ昼休憩が始まったばかりだというのに、見習い魔法使い達がそれぞれの遊戯を行っていた。一方塔の庭では、ウェルナー達と同じように外で昼食を食べようとしている生徒が、自分達のお気に入りの場所に陣取っている。  長閑でとても穏やかな風景だ。  外の空気を吸い、軽く伸びをする。日の光が眩しい。塔で生活をしていると、如何しても光の届かない暗い所で生活をすることになるので、余計に眩しく感じた。  適当に空いた木陰に、魔法で出したマットを引き腰を降ろすと、アレックスも同じようにマットに座った。騎士甲冑をつけながらランチマットに腰を降ろすという光景に、ウェルナーは思わずにやりと笑みを浮かべた。  「しょうがないだろ、正装なんだから。」  拗ねたようにアレックスが言い、ウェルナーから渡された弁当を口にいれる。風が2人の髪をなびかせ、塔の庭に咲いた花達の甘い香りを運んできた。  「今、外の世界ってどんな感じなんだ?」  ふと、ウェルナーは気になっていたことを尋ねてみた。アレックスをランチに誘ったのはそれが聞きたかったからだ。他意は無い。弁当も二人分手作りだが他意は無いはずだ。  自分はこの塔で一生を過ごすことになる。そう思って外のことなど考えないようにしていたのだが、昨夜のアレックスの話で希望をもってしまった。  一度考え始めてしまうと外への欲求が深くなる。  
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