第1章

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ふわふわの クッションの上に きちんと座ったその猫は 金色の目で 結衣をじっと見つめていたが、 口をかぱっと開いた。 「いらっしゃいませ」 飛び上がるくらい驚いた 結衣の横には、 柔和な笑顔の老人が 立っていた。 「お気に入りは 見つかりましたか?」 「び、びっくりしたぁ~、 猫がしゃべったかと思った」 「おや、これは失礼。 ニャンが何か言いましたか?」 「ニャン?」 穏やかな物言いに ほっと胸をなで下ろした。 本当に猫が しゃべったと思ったので、 まだ心臓がどきどきしていた。
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