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ふわふわの
クッションの上に
きちんと座ったその猫は
金色の目で
結衣をじっと見つめていたが、
口をかぱっと開いた。
「いらっしゃいませ」
飛び上がるくらい驚いた
結衣の横には、
柔和な笑顔の老人が
立っていた。
「お気に入りは
見つかりましたか?」
「び、びっくりしたぁ~、
猫がしゃべったかと思った」
「おや、これは失礼。
ニャンが何か言いましたか?」
「ニャン?」
穏やかな物言いに
ほっと胸をなで下ろした。
本当に猫が
しゃべったと思ったので、
まだ心臓がどきどきしていた。
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