第1章

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「部活でも、こんなに 驚く事なんてなかったよ。 もう、嫌になっちゃうなぁ」 テニス部の一員として 中学の三年間を 頑張ってきた結衣は、 きちんと姿勢を正して お辞儀をした。 部活動の基本は 礼儀だったから、 特に年上に対する事柄は 嫌と言うくらい 身に沁みてもいた。 部活を卒業して 半年以上経つのに いまだにそれが治らないのも 不思議といえば不思議だった。 「こんにちは、 猫が欲しくて来ました」 「あぁ、いらっしゃい。 挨拶がきちんとできていいね。 どう? どの子も可愛いでしょう?」 そう言うと店主の老人は にこにこと 嬉しそうに微笑んだ。
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