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〇戦士の休日〇
「……ッ」
「…プーコリ、…プーコリ…、…ルアーキン…ッ」
「…!!」
サルメンダーはBL星語で叫びながらガバッと飛び起き、
「…あっ」
ドタン!
勢い余って寝台から転げ落ちた。
(…痛たた)
ロサンゼルス上空。
サルメンダーは宇宙船BL号で昼寝中だったのだ。
(また、いつもの夢だ…)
夏の宇宙怪獣退治後から同じような夢を何度も見ていた。
その夢の中には絶世の美少年が現れて、
サルメンダーと絶世の美少年は恋人同士なのだ。
抱き合っていると、その美少年はふいに腕の中で別の生き物に姿を変えて、
サルメンダーが呼び止めるのも聞かずに逃げていってしまう。
今日は美少年は鳥に姿を変えて空へ飛び去ってしまった。
(…はぁ~、もっと、ずっと一緒にいたいのに…)
夢から醒めてもサルメンダーはうっとりと甘美な余韻に浸った。
まるで、夢の中の架空の美少年に恋をしているような気分だ。
(宇宙戦士とはいえ、19歳で初恋すら経験がないし)
(だから、こんな妄想的な夢を見るのだろうか?)
そう自己分析をして、ちょっと情けなくなる。
今日もせっかくの休日だというのに、こうして昼寝をしていただけなのだ。
(だが、休日に恋人とデートをする宇宙戦士などいるのか?)
(聞いたこともないぞ)
サルメンダーは首をブンブンと振って、
(これでいいのだっ)
(宇宙戦士には恋など無用だっ)
握り拳を構えて力強く心の中で叫んだ。
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