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「あのな、こなちゃんのユメ壊すようで悪いけどな。
それはファンサービスの一環で、こなちゃんのことなんて少しも覚えてないんやで……」
肺の中の空気を全て出し切るような波紋さながらの溜息を吐き捨てミズキ。
そして、哀れみの視線を向けながら幼児を諭すかのように言い聞かせる。
「そ…そんなキモヲタみてぇのと一緒にするんじゃねぇよ!!
もういい、俺は俺のやり方でおこなちゃんに認めてもらう!!」
こなゆきは、奪い取ったお金を乱暴に懐に押し込んでミズキに背を向ける。
「おっ、コイツも貰っていくぜ。」
そして、目の前にあった小麦粉ほどの袋を拾い上げて去って行く。
「それはウチが夜なべして作ったハナミズキの花粉やないけ!!」
「うるせぇっ、特効薬隊とやり合うんだ…弾は多い方が良いんだよ。」
特効薬隊という単語にミズキは自分の血の気が引いていくのを感じた。
何故ならば、あの最強と名高い花粉代官を三人掛とはいえ倒したのだから…
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