3人が本棚に入れています
本棚に追加
「ちょっと!? ちょっとちょっと!! 目を覚ますのは貴方の方ですわ旦那様!」
「なっ、何じゃい?!」
私、勇気を振り絞って旦那様に声を掛けましたわ。
だって、見ていられなかったんですもの。
旦那様ったら、常識という名の固定観念にとらわれてばかり。
本当の愛というのはね? 歳とか、性別とか、そんな小さいことなんて超越したものなのよ。
この耄碌ジジイの目を覚まさせてやる必要がありますわ。
このままマイハニーにばかり汚れ役を押し付けているわけにはいきませんもの。
ここはひとつ、バレーで培ったスポーツマンシップに則り!
私がひと肌脱ぐ事に致します。
まァ、ハニーったら。
そんな心配そうな目をなさらないで。
確かに私には同性愛の正当性なんて主張する事は出来ないわ。
そんな口達者ではありませんもの。
でも、私に任せて頂戴。
無力な私にだって、出来ることはあるわ。
私の青春にして、唯一の取り柄と言っていいもの。
今まで私を支えてくれたバレーボール。
今日もまた、私に力を貸して頂戴。
最初のコメントを投稿しよう!