3人が本棚に入れています
本棚に追加
「せいやっ!」
庭から声が……!?
まァ、ハニーったら。
いつの間に外へ?
そしてそのボールは私のよ。
いえ。そんなことは、今はどうでもいいわ。
今注目すべきは、ハニーがボールを自分の頭上高くへ放り上げた事。
これはまさしく、ついさっき私がやったのと同じことね。
そうか。
わかりましたわハニー。あなたのねらいが。
ふふ。私達は以心伝心ですもの。
あなたが何を考えているかなんて、すぐわかっちゃうわ。
そうとわかれば、私はただそれを見守るだけ。
さァ、やっちゃってハニー。
あなたの、いえ、私達の、渾身の一撃を……!
ズダァァァァァン!!
勢い充分のジャンプサーブ。
私が教えましたの。
そして、お見事。
放たれたボールは渦を巻いて、標的に命中しましたわ。
ドッゴォンッ!
「ぐぶべっ……!?」
旦那様の顔に、ね。
今度こそクリティカルヒットのようね。
旦那様は鼻血を拭いて失神したわ。
汚いわねェ。まるで『オゲレツ大百科』だわ。
でも!
やったわね、ハニー!
私達の勝利よ!
良いザマよね?
このクソジジイ、息してないわ!
最初のコメントを投稿しよう!