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三分の間に
3分間 待つに待って
クロノメーターの
短針の
複雑なステップを理解した
トポロジーやら
ガウスレンズの
芯まで冴えるピントの青さに
望み見る世界が私の知る空間だ
電子の連絡網は
通信手段として用いられるよりも
遙か以前に
原始宇宙の 陰謀論によって
爆発的に
高圧的に
すでに知覚され
無気力な空間に 弄ばれて
存在していたに違いない
暗がりの中で
壁伝いに先へと進む
延々と白い光点が南へ
それが南だとして
私が北だった
3分間 待つに待って
ひび割れた革ベルトに
手を添える
右心房から
逆流する血液の
一拍遅れた拍動に
私の聴力が先回りする
エッジの立った
スチール弦の 赤錆を指に ああ
高感度の シャギーな粒子
そのラフな面構えに
乱暴狼藉の私の呼吸がリンクする
3分間 待つに待って
私が今 息絶える
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