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お客さんたちもぞろぞろと立ち上がり解散していく。
組み手を行っていた二人は仲良く手を取り握手をしているし双子は四の字固めを決めていた人へ片方はアイアンクローを決め片方は金的を食らわせていた。
ウン、イタソウ
「会長」
透き通る声で、黒髪が会長サマを呼ぶ。
会長サマは何故か顔を引きつらせまだ仁王立ちを続ける黒髪の男へ近寄ると、か細く「ハィ」とだけ声を出した。
「何故倒せずに居るんですか貴方は。いくら師範だとしても今回は撃破という目的でここに降りたのですよなのに何故見世物のような組み手を永遠と続けしかも貴方が押されていたんです?だから貴方は使えないと言われるんですよ無能が」
刺さった!!なにかよく分からないけど会長サマにいろいろ刺さった!!
てかあの人黒い!!めっちゃ笑顔なのに目が笑ってないあれ絶対敵に回しちゃいけない人!!
「ねこちゃ、おこ……」
わんこ先輩もその光景を眺めながら思わず震えていた。
双子も大人しくなり鮫先輩は、通常運転で羊羽に抱きついていた。
黒髪の人は師範と呼ばれていた犯人役の人が、プスプスと燃え尽きている会長サマを慰める光景を鼻で笑い、こちらへ歩み寄ってくる。
「鶴喰君。」
「「ひぃ!」」
「返事はハイと教えませんでしたか?」
「「はい!!!!」」
次のターゲットは双子のようで、2人身を寄せ合い震えているのを先ほどの冷たい笑顔で見つめ口を開いた。
「誰が遊んでいいとおっしゃいました?あなた方に頼んだのは人質の開放と犯人の拘束。お渡しした縄はどうせヘリの中に置いてきたんでしょう。そういうせっかちな所を直せと何度言えば分かるんですか?脳みその詰まってない小さなおつむに詰め込んであげましょうか?」
「「ズミマゼンデジダァア!!」」
ブルブル震えながら双子は謝り、それをまた鼻で笑いながら次のターゲットへ目を向ける。
「鮫塚君」
「へ~い?」
鮫先輩はヘラヘラしているが、ガッチリホールされた羊羽は今にも気絶しそうなほど震えて、なんというかご愁傷様です。
「貴方には何を言っても無駄だと分かってますが、もう少し真面目になれるように次から回す仕事を増やさせていただきますね」
これでもかと言うほど嫌みたらしい笑顔で言い放つと、鮫先輩は羊羽と共に崩れ落ちた。
そして最後、わんこ先輩のお説教タイムが始まる。俺を挟んで。
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