4984人が本棚に入れています
本棚に追加
「…俺様の名前は 錫鰐 俊一郎 。櫻宮学園の生徒会長を努めている。しっかり覚えとけ学年主席の問題児 狼谷 桃真 !」
すずわに しゅんいちろう
頭の中で名前と生徒会長の顔を照らし合わせる。
そういや俺入学式と言う名の始業式にはヤンキーに絡まれ遅刻してそれ以外は姉に出るなと言われているから生徒会見たことねえや。まあこの先も会うことも見ることもないだろ。
「すんません人の顔覚えるの苦手なんで無理っすわ」
鼻で笑いながらしっしと手を払うと、生徒会長は顔を赤くしこちらを指さしてきた。
「なっ、お前は一応にもこの櫻宮学園に特待生として編入してきた男だろう!そんな奴が学校の代表を覚えずどうずる!!」
あれコイツ泣いてね?俺生徒会長様泣かしちまった?
やばいやり過ぎたかと焦っていると、横から腕が伸び、生徒会長を俺の前からどかした。
そして目の前に現れたのは、気だるそうに欠伸をする、長身の男。
「こん、ちわ…。」
「お、おう…」
大きく硬派な見た目とは裏腹に、ゆっくりのんびりとした喋り方。
茶色く短くもふわふわした髪を揺らし、軽く微笑んだ。
なんつうか、大型犬、みたいな人だな…もしかしてこれも生徒会メンバー?
何かを言おうともごもごと口を動かしたあと、口を紡ぐと、横で壁とお友達になっていた生徒会長サマのポケットをあさりだした。
何やらカンペらしき白い一枚の紙を取り出すと、用済みなのか会長様を横へ放り投げた。
扱い とは
最初のコメントを投稿しよう!