スタート地点

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声をかけたあと、一瞬なくなった視線がまた突き刺さる。 そんなにチョコが美味しかったのか…?はっ、もしかして俺の思い違い?返事なかったし不味かったとか?! もう一個とか言っちゃったけどもしかして迷惑かもしれない…???? とりあえず購買で様子を見よう…あの購買年中無休だからこういう時助かるんだよ… 最後の一枚を棚に戻すと、タオルをかけひと呼吸置く。 よしっ! 「待たせちゃいましたね、行きましょうか」 なるべく自然に、先ほどの不安を表に出さないように振り返る。 が、 「あ、の……」 穴があくのではないか、と思うほどにまっすぐ見つめられ、少しビビってしまった。 俺みたいに隠す気のない目は少しタレ目で、瞳の色も茶色く透き通った瞳。 どこか抜けているような、そんな印象が何処かへ行って 真剣で男らしい顔つきをした先輩に、こんなに見つめられたら 女だったら惚れてんじゃねえか…? 俺?ぶっちゃけ怖すぎてちびりそう。 だってでかいんだもんこの人!冷蔵庫よりでかいとか何センチあんだよ!! 心の中で叫びながらも未だに見つめてくるわんこ先輩。 流石に真っ直ぐな視線に耐えきれなくなって目を泳がしてしまった。 すると、何故かわんこ先輩がのそっと一歩を踏み出し、あまり距離のなかった感覚がさらに近づく。
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