VII

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 「傷つける魔の杖よ」  ウェルナーの言葉と共に空中に赤、青、黄色の光の玉が生まれる。それが少年の意思に従い3つのフラスコと衝突した。ぶつかった光の玉はフラスコの中身と反応し、それぞれの効果を視覚的に表す。  「わかりやすいように、マナの色の特性を視覚的に表してみました。先日の昼食の時に少し話しましたが、3つのマナはそれぞれ特性があります。赤い光の玉とぶつかったフラスコは、中の木屑を燃やし、その特性が燃焼であることを示しています。青の光の玉がぶつかったフラスコは重力にあがらい浮いています。これはその特性が抵抗であることを示しています。そして黄色の光の玉がぶつかったフラスコは、活性の力で強化され教卓に落ちても割れません。」  3つのフラスコを回収しながら、説明をしたが完全に理解したのはダレクだけのようだ。魔法を使うことにあまり慣れていないジェスとレナは、馴染みが無い分わかりにくいのだろう。  「これは習うより慣れろかもしれません。説明はこれぐらいにして実際にやってみましょうか。宿題にはしていましたが、みなさんできるでしょうか。みなさんはまず照明の呪文で練習してください。」  ダレクが手を上げ杖を取り出す。  「魔の杖よ」  ダレクの言葉に反応し空中に光の玉が浮かびあがった。その光の玉が周囲のマナを吸い込み青色に染まる。  「よくできました。しっかりと宿題をやってきてくださりありがとうございます。ジェスとレナはどこまでできるようになりましたか。」  二人も杖を取り出して呪文を唱える。ジェスの光の玉はマナを込めると暴発し教室中を飛び回った。それを青色の光の玉で打ち落としながらレナの玉を見る。レナの玉はあと少しで完全に黄色色になりそうだった。  「レナは怖がらずにもう少し力を入れてマナを込めてもいいと思います。ジェスはもう少し優しくしてあげないと。」  「優しくって言っても具体的にどうすればいいんだよ。」  できないことに苛立ったジェスが声を荒げる。  「そうですね~。大事な友達と接するような感覚って言ってわかりますか。魔法使いとマナはきってもきれないな関係です。仲間だと思えばそれにマナも答えてくれます。」  「大事な友達と・・・か。」  ウェルナーのアドバイスを聞き、ジェスが目を閉じる。  
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