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「お、驚いた。
まさかシン君に再会するなんて」
パーティが終わったあと、同ホテルのラウンジバーで二人は窓際のソファー席に向かい合って座った。
「僕は君の受賞を知っていて、パーティに出席させてもらったんだ。
改めて乾杯しようか」
テーブルに届いたシャンパンを手にニコリと微笑む。
相変わらずの綺麗な顔からは、十代の頃感じさせた幼さが抜けている。
少し華奢だった身体付きも、今やガッチリとしていて、本当にすっかり魅力的な大人の男性だ。
「……シン君も作家先生だものね」
独り言のように漏らして、美咲もシャンパングラスを手にした。
触れる程度にコツンとグラスを合わせる。
まさか私たちがこうしてお酒を飲む日が来るなんて。
あの頃を振り返って、なんだか不思議な気がした。
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