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「うん、ラオさんがモデルなんだ。
どうも僕は実在する人間をモデルにした半ノンフィクションみたいな方が、イキイキと描ける感じで。反則だよね」
とイタズラな笑みを見せる。
「ラオさんはなんて?」
「描く前に許可をもらった時から、『私なんかを主役に?』って戸惑いながらも、なんだか嬉しそうだったよ。
……受賞した後は、結構大変だった」
肩をすくめたシンに、
「やっぱり怒られた?」
と美咲は声を潜めて尋ねた。
あのハードボイルド作品は、結構過激なシーンも多く、ラオさんを想像してどんな顔をして良いのか分からない場面も多々あった。
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