天使の足音

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『……それでは、ここから十分先のホテルで開かれているパーティに参加ということで良いですね』 確認すべく尋ねたニールに、レオンは『いや』と首を振った。 『今日はもう帰る。家にやってくれ』 美味しいワインを飲みながら、幸せな動画を観る。 時に、時差を確認し、彼的にかなりの勇気をもって電話をする。 それが、今の彼にとって、至福の時なのだ。 レオンはすぐにスマホをポケットに入れた。 本当は早く動画を観たくて仕方ないのだろう。 それでも、せっかくだから家に帰って大画面で観たいと思っている。 『それでは、ワインセラーに寄りましょうか?』 『……そうだな』 窓の外を眺めたまま、不愛想に言う。 うずうずしている様子が手に取るように分かり、ニールの口元が綻んだ。 おまけ ~fin~
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