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「大丈夫よ、心配する必要もないわ。」
あ、心配はしていないです。ちょうど「ざまあみろ」と言おうとしていたんですよ。
「あらそう?それなら良かったわ。」
いえいえ、こちらこそ。・・・というか。
「やっぱり、心読めるんですね。」
「ええ。」
お姉さんは優しく微笑みます。美人ですね、羨ましいです。
「あらあら、そんなことないわよ」と謙遜した後、お姉さんは真剣な顔になって話し始めました。
「実は、私達2人は神様なの。」
携帯小説のお陰で、知ってました。・・・2人とは予想外でしたが。
「・・・さっき来た人も、そう言っていたわ。人間って怖いわね。」
頬に手を当て、ため息をつくお姉さん。
さっき来た人?ある引っ掛かりを感じます。
「その人の名前って・・・?」
「山田 和人くんよ。」
まさかのボサ山くん。あのボサ山くんですか。
一足先にここへ来ていたとは。
・・・閑話休題。
「ところでここはどこてすか?」
そう訊くと、お姉さんはさっくり答えてくれました。
「人間界と天界の間の空間。」
なんでもこの世には、天使が住む天界と神が住む神界、悪魔が住む魔界があるそうで、しょっちゅう人間界に遊びに行っているとか。
ちなみに、人間界は数えきれないほどあるらしいです。その中のひとつに、ボサ山くんは送られたそうです。
「じゃあ、私は何故ここに来たんですか?」
「さっきの少年と同じで、このクズが魂に関する大事な資料を破いちゃったのよ。それで魂が天国にも地獄にも行けず、ここに行き着いたの。」
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