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渡された黒い玉を素直に受け取る私。ただで貰えるなら貰っておきますよ、もちろん。
黒光りしていて不気味ですが。
「これは、何ですか?」
「秘密よ。」
即答ですか。
ニッコリと答えるお姉さん。その笑顔が怖いです。
「・・・毒じゃないですよね。」
「ええ。・・・ただ、効き始めるのにかなり時間はかかるわ。」
効く?
「薬かなんかですか?」
「さぁ?それはどうかしら?」
いたずらっぽく笑っていますが、私にとっては大事なんですよ。命にかかわるかもしれないのですから。
「・・・大丈夫ですよね?」
「いいからいいから、飲みなさいって。」
「あのクズに見られないうちに」と、お姉さんが小声で囁きました。
・・・見られるのがまずいんですか。そうですか。
「だったらなおさらじゃないですか。」
「んもう、じれったいわね。飲みなさいよ、ほら。」
それでもなお私がもたつくと、お姉さんが黒い玉を奪い取り、無理やり私の口に押し込みました。
「・・・んむっ!!」
突然のことに、反射神経が鈍い私では抵抗できるはずもなく、黒い玉は食道をつたいポチャンと、胃の中に落ちました。
確かに落ちた音がしました。・・・たまにありませんか?そういうこと。
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