1章 神様はクズでした。

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「・・・知らない天じょ、いや青空ですねぇ。」  そうです空なんです。目を開けてみれば、雲一つない青空が目の前に。  ・・・なんで白い空間じゃないんですかね。 「いや、そもそもここはどこですか。」  疑問を持った私はのっそりと起き上がります。  つい先日、携帯小説で異世界トリップを読みあさったばかりの私は、隕石に当たる直前、すぐにピンときました。  これは、異世界トリップだ。私は、転生できるんだ、と。  しかしどこの異世界トリップ小説にも、はじめは白い空間と書いてありました。そして金髪碧眼の神様が出てくるのだ、と。  床なんか、黒と白のチェックのタイルですよ。いや、確かに白はありますけれども。  それでも全然話と違いますよ。どうしてくれるんですか、このワクワクした気持ちを裏切った責任を。・・・これは、重いですよー。なんてったって、裏切ったのですからね。  サンタクロースがマイパピーだと知った時と同じくらい重いですよ。どう責任とってくれるんですかねぇ、神様は。  なんて私が考えていると、突然聞こえてきました。  男女の声です。 「もう、マイダーリンたらぁん。愛してるわぁん。」 「僕もだよぅ。マイハニー、愛してるよん。」  ・・・なんか後ろのほうから甘ったるい声が聞こえてくるのですが。  声が甘すぎて、吐きそうなんですが。おぇ。  おっと、これは失敬。私としたことが、つい。  気持ち悪いことこの上ないですねぇ。こういうの、嫌いなんですよ。燃える愛とか、淡い恋とか甘すぎやしませんかね。  「愛してるよ」と囁かれたら鳥肌が収まらないでしょうね、きっと。  ゾワッとしますよゾワッと。  しかし、気持ち悪いからと言ってこのまま座っていてもいけませんね。・・・何事も挑戦が大事ですから。嫌いな食べ物も無理やり食べる私ですし。  ま、どうせ話しかけなければいけないでしょうしね。  意を決した私は立ち上がり、振り向きました。    
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