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「ああん、ダァリン。大好きぃ。」
「愛してるよ。」
約5メートル奥。そこには、抱き合っている男女がいました。
それが目に入った瞬間。
おろろろろ、おっと危ない。今朝食べたカレーが出てきそうでした。
なんという破壊力。何事にも動じないことを信念にしている私に、ダメージを与えるとは・・・。
恐るべし、神様。しかし、私を侮る無かれ。
私は出来る子なんです。やれば出来るんです。
やらないだけなのです。
そう心に言い聞かせながら近づきます。
「あの、すみません。」
一年分の勇気を使って、いちゃラブしている2人に話しかけました。
すると2人が同時にこちらを見ましたよ、あら怖い。
まず、不思議そうに女性が言いました。
「あら、こんな可愛らしい子がなんでこんなところにいるの?」
銀髪の美人なお姉さん、それはこちらが訊きたいです。
次に、私を見て青ざめた男性がつぶやきました。
「あ、・・・やばっ。」
金髪のかっこいいお兄さん、なんですかその「しまった」的な顔は。
ほら、お姉さんが怒ってますよ。激おこですよ。
「・・・ねぇ、ダーリン?まぁた、ミスしたの?」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさ、」
「・・・このクズが。」
さっきまでの甘々な雰囲気から一変、まるで地獄のようです。正直、空気がピリピリして痛いです。
怖いですねぇ、女性って。豹変ぶりが特に。・・・でも、このお姉さんに対しての好感度はぐぐぐーんと上がりましたよ。
お兄さん?嫌悪感しかありませんよ?
しかも、お姉さんの吐き捨てた言葉によってお兄さん、きのこ生やしちゃってますよ。更に嫌悪感が増しますね。大丈夫ですか?
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