1章 神様はクズでした。

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「ああん、ダァリン。大好きぃ。」 「愛してるよ。」  約5メートル奥。そこには、抱き合っている男女がいました。  それが目に入った瞬間。  おろろろろ、おっと危ない。今朝食べたカレーが出てきそうでした。  なんという破壊力。何事にも動じないことを信念にしている私に、ダメージを与えるとは・・・。  恐るべし、神様。しかし、私を侮る無かれ。  私は出来る子なんです。やれば出来るんです。  やらないだけなのです。  そう心に言い聞かせながら近づきます。 「あの、すみません。」  一年分の勇気を使って、いちゃラブしている2人に話しかけました。  すると2人が同時にこちらを見ましたよ、あら怖い。  まず、不思議そうに女性が言いました。 「あら、こんな可愛らしい子がなんでこんなところにいるの?」  銀髪の美人なお姉さん、それはこちらが訊きたいです。  次に、私を見て青ざめた男性がつぶやきました。 「あ、・・・やばっ。」  金髪のかっこいいお兄さん、なんですかその「しまった」的な顔は。  ほら、お姉さんが怒ってますよ。激おこですよ。 「・・・ねぇ、ダーリン?まぁた、ミスしたの?」 「ごめんなさいごめんなさいごめんなさ、」 「・・・このクズが。」  さっきまでの甘々な雰囲気から一変、まるで地獄のようです。正直、空気がピリピリして痛いです。  怖いですねぇ、女性って。豹変ぶりが特に。・・・でも、このお姉さんに対しての好感度はぐぐぐーんと上がりましたよ。  お兄さん?嫌悪感しかありませんよ?  しかも、お姉さんの吐き捨てた言葉によってお兄さん、きのこ生やしちゃってますよ。更に嫌悪感が増しますね。大丈夫ですか?    
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