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「ふざけんじゃねーぞ、てめぇ!!」
…外から怒声が聴こえてきた。
こんなことはよくあるので気にもしないけど一応俺たちは窓から外を拝見した。
「あいつってここらで一番悪さしてるって噂のやつじゃね?」
俺は徹がそう言って指をさしたやつを、しらーっと見た。
そこには目付きがするどくていかにも不良って感じのやつが先陣を切ってる。
髪真っ赤。似合わん。
そしてその後ろにはおそらく手下だろう方々がざっとひーふーみー、…たぶん二三十人くらい居た。
そいつらと対峙してるのは、
………一人?
「大丈夫か、あいつ。」
「ああ、あの人って確か…。」
おらぁ!!!
声と共に赤髪さんが突っ込んでいって、後ろの手下たちもぞろぞろと殴りかかっていくのが見えた。
一人じゃ敵わないだろ、死ぬな。
なーんて、思っていたんだけれど。
間違いだった。
その人は綺麗に相手の動きを見極めて、さらりと交わしていった。
初めて、人の喧嘩をみて綺麗だと思ったかもしれない。
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