第5章

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うわ、なんか恥ずかしすぎる。 自覚したらいよいよ手遅れで。 ぶわっと一気に体温上昇。 「……顔、赤い。」 「はっっ?ななな、なわけねーだろ。」 噛んじゃったよ…。 そんなモロバレな俺の様子にふわりと優しく笑う零。 もー、こいつのこうやって笑う姿、弱いんだよ俺。 居たたまれなくなって目をそらしたら目線の先には唖然とした廉がいた。 不思議に思ってどうした?と尋ねるとパクパクと鯉のように口を動かすだけだった。 とても面白い。 「そ…。」 「そ?」 「総長が笑ってるじゃないすかあああああああああああ!!!!!!!」 キーンと響く声に俺は耳を塞いだ。 零は煩そうに目をしかめて奏と蒼先輩は可笑しそうに笑っていた。 目の前にはキラキラと子犬のように瞳を輝かせる廉が居る。 「なあなあなあ、どーやって総長を笑わせたんだ!?」 「いや、別に何も…。」 「すげーなお前!!もしかしてかなり強いやつか!?」 「いや、だから…。」 「すっげえええな!!お前!!どのくらい強いんだ!?」 人の話を聞け。 おいそこ!!笑ってんなよ奏!! あと蒼先輩も若干笑ってますよね!? 「廉、うるさい。」 「すいません総長!!!!」 …忠実な犬、だな。 とりあえず助けられたってことでひと安心する。 はあ、と溜め息をすると同時にカランと鈴の音が聞こえてその音に釣られるようにドアの方へ目を向けた。
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