第1章:俺と神さま

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 目の前には夕日に照らされ赤くなった海が広がっていた。  この海はどこに行くのだろうか。  彼は追いつかぬ思考のまま、その丘でぼんやりとそんなことを考えていた。  少女のような風貌の少年は、まるで人形のように風に押されて揺れていた。  やがて彼は一歩足を踏み出し、真っ赤な海へと吸い込まれていった。 ―――― 「……っ!?」  そんな夢から目を覚ました青年は、またかと深く息を吐く。  何度も見るその後味の悪いこの夢は、彼の過去そのものであった。  その過去というのも、もう千年以上も前の話なのだが…… 「あ~、胸くそ悪い!」  青年――最上紅葉(もがみくれは)はまだ眠気の残る頭でベッドを下りた。  眠そうに目元を擦りながらドアを開けると、「おはよう」と澄んだ声が聞こえた。
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