ママをお休みします

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「解った。土曜日でいい?」 夫はあっさりOKした。 色々理由をつけて拒否されるのではないかと思っていただけに、ちょっと拍子抜けだ。 「え?いいの?」 「え?休みほしいんでしょ?」 逆に驚いた顔で私を見た後、彼はビールを煽った。 「久々に二連休だし。丸一日遊んでパパの株でも上げとくよ。顔忘れられて「おじさん誰?」とか言われたらマジで凹む」 彼が笑う。その顔に心からほっとした。 「ありがとう」 そう頭を下げた私に、彼は心からの労りを示した。 「いや、こっちこそ気付かなくてごめん。たまにはゆっくり羽伸ばしておいで」 一晩寝れば、気分も変わる。 前日のイライラも、新しい一日の始まりと共にリセットされる。 その上、もうすぐ一人の時間が持てるのだ。そう思うだけで心に余裕が生まれた。 寒かった冬もようやく過ぎ、暖かな日差しの中、娘と散歩に出掛けた。 菜の花を見つけて喜ぶのは一瞬で、すぐに小さな公園の砂場が彼女の心を捕らえた。 今日は砂まみれになっても全然平気。 笑って許せる。 「お山作ろうか」 張り切って自ら提案する辺り、私って相当現金だなあと苦笑した。
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